「父親」となったら

父親になること

奥さんが初めて妊娠したことが分かった時、あなたは父親になる覚悟をしなければなりません。
そして無事出産したとき、あなたは本当に父親になります。
「お父さん」と呼ばれるか、「パパ」と呼ばれるか、それはあなたの家庭風土によって自然と決まってきます。

あなたは父親であることから逃げることはできず、死ぬまでその責任を取っていかなくてはなりません。
法律など、社会の仕組みの中で扶養の義務は有無をいわさず負わされます。

まあこんな堅苦しい言い方はしなくても、夫婦だけの生活から一転して、もう一人の人間が家庭に出現したわけですから、日常生活が全く変わるということだけ言えば十分でしょう。

今後は、子供中心の生活に変わります。
奥さんもあなたのワガママなど聞く耳を持たなくなります。
今まで自分の好き勝手やってきた趣味も当分の間は封印、子供に悪い影響を与える習慣はやめる、などなど、父親になることは、男の人生の中での大きなターニング・ポイントであるということは間違いありません。

父親は誰でも初心者

だからといって、あなたが急に父親の役割をスマートにできるわけがありません。

赤ちゃんに対して、抱き方、ミルクの飲ませ方、おむつの替え方、どれをとっても初体験でしょうし、泣く子をあやすのもまた何十年ぶりのことかもしれません。
あなたの会社の仕事が忙しいといっても、こちらの仕事も同等に重要で、しかも赤ちゃんは待ってはくれません。
奥さんに、助産師に、あるいはご両親に教えを乞うて、まずはおぼつかない初心者を演じてください。

ただこれも毎日の修行の積み重ねで、次第に上手になっていくものです。

当分はピンと来ないのも確か

急に生活スタイルが変わったとはいっても、男としては最初のうちは本当に「父親になった」ということがピンと来ないのも確かです。

女性のほうは、痛い苦しい思いを乗り越えて、自分の中から赤ちゃんが出てきたわけですから、その感激と実感は大きいものがありますが、男のほうはその一部始終を横で見ているだけですから、まさに「第三者的」な立場でしかないわけです。

こういうところが、ピンと来ない心情になる原因ではあると思いますが、しかしそれは男の宿命です。
そういう理解のもとで、自分はどういう父親になっていくつもりなのかを考えてください。

まずは、名前を考える、役所に届けを出す、会社に扶養の申請をする、といったところから父親の役割が始まります。
赤ちゃんの世話については初心者運転の延長でいってもいいし、「イクメン」のプロになるべく挑戦してもいいし、それは人それぞれだと思います。

赤ちゃんからしてみると、父親というのはこの世で最初に出会う他人みたいなものです。
体からお乳を出してくれるわけでもなく、毎日朝と夜くらいしか顔を見せない、母親とはちょっと違った人です。
それこそ最初のうちは、あなたに興味がないかもしれません。

しかしどういう役割であっても、何らかの形でスキンシップを取り続けていけば、ある日突然あなたを「父親」と認識してくれる時が来ます。
その時があなたが「父親になった」と本当に実感するときかも知れません。

あなたなりの父親像で

「父親、かくあるべし」という他人の言葉は、ある意味一つのパターンの押しつけにも聞こえます。

最も参考となるのが、あなたご自身のお父様なのですが、これとて理想像となるのか、反面教師となるのか、人それぞれ、家庭それぞれです。

やはり、あなたご自身が歩んできた20年、30年の人生から、あなたご自身の父親像を醸成していくことがベストでしょう。

他人の意見を参考にすることはいいことです。しかし他人の言うことに流されて自分の考えを持たないのは心もとない父親です。
奥さんの言いなりになるのは家庭に波風をたてない一つの方法ですが、それも良し悪しです。

もともと他人だった夫婦が、子育てで意見が一致するなんてことはそうそうはありません。
夫婦の方向性が合わずに、子供の前で多少の夫婦喧嘩を繰り広げることも時には必要ですが、そのときも男親としてのホコのおさめ方が大事になってきます。
日常の奥様との付き合い方そのものも、子供はしっかり見ています。

とにかく夫婦、家庭の生活の中で様々発生する問題に対して、不本意ではあってもその全責任を負っていかねばならないのが父親です。
ある意味、こんな辛い立場はありません。
しかし、こういう場面での姿こそが、子供が感じる「父親像」なのです。

あなたの父親としての総合評価は、あなたのお子さんが20年、30年後に出してくれるはずです。

良き父親になれるよう、応援しております。


↑このページのトップへ


Copyright © 2013 Iwata Hospital. All Rights Reserved.